2013年8月26日月曜日

TPPでも生き残れる農家03

 生き残れる種族

 国策や貿易といった人為的なものよりも、さらに大きな地球環境という大きな力によって変化を迫られたとき、これらの対応スキルは必ず役に立つはずです。
 太古の昔、恐竜が気候変動によって絶滅したとき、生き残れたのはおもに環境の変化に上手に適応できた私たち哺乳類でした。大きく力強いものは、その分動きも鈍く細やかな対応ができません。
 狭く小さく弱い日本が生き残るには、細やかさと多様さで戦ってゆくほかないのではないでしょうか。

 最終的なリスクは全て自分に

 環境の変化を拒絶したり、環境を選択することは困難です。しかし、ある環境下での選択は個人の自由です。たとえ他人がもたらした変化だとしても、そのリスクを受けなければいけないのは最終的に自分自身です。
 また、筆者がこれまで述べてきたようにいくら知恵を絞ったとしても、それは経験の伴わない不完全な知恵です。ですから農家のみなさんやその他の関連産業に従事する方には、悔いの残らない選択をしていただきたいと思います。
 国策によってどうされるかではなく、自分たちが何をしたいのか、どのように生きたいか、何をすれば充実感を得られるかのほうが大切だと私は思っています。

2013年8月14日水曜日

TPPでも生き残れる農家02

  多品目でリスクヘッジを

 TPP反対者の主な反対理由は「大量生産による価格競争に負ける恐れがあるから」だと私は解釈しています。確かに全く同じ品目、同じ品質の生産物を両者がつくっていたとすると、規模が大きい方が単価のコストが下がるため有利になります。前回の項でも触れましたが、日本とTPP参加諸国(主にアメリカ)との農地面積の差は歴然です。つまり狭い日本が価格で競争することはほぼ不可能です。これは日本の農業を愛する私も認めたくはりませんが、農地面積の差は冷静に判断すべきデータであり、覆すこともほぼ不可能なのです。
 大量生産という一本柱では、主力が負ければ終わってしまいますが、支える柱が2本、3本、それ以上あればどうでしょうか。柱が多ければ多いほど、折れずに残る柱の数が多くなります。作付け品目の種類が多ければ大きく儲けをだすことはできなくはなりますが、「どちらに転んでも負けない農業」を築き上げることができるはずです。
 多品目を作付け栽培するということは大変なことです。今まで自分が持っていない新たな知識もたくさん必要になりますし、手間も増えるため人でも多く必要とします。しかし、これが実現できれば様々な環境の変化に依らず生き残れる確率は高まりますし、人手がかかるということは、視点を変えれば雇用を生み出すことであり、地域の力は確実に強まります。
 具体的には果物、野菜、穀物、畜産物のように品目の幅を可能な限り拡げる。レストランと提携するような高い品質のものと、スーパーで安売りできるようなものという具合に価格帯を広げる。同品目内で糖度、食感、色合い、その他に少しずつ変化をもたせバリエーションを拡げることなどが考えられます。日本国内の人口は減少の一途を辿っているため、消費者のニーズに細かく応えることは、顧客数を維持する上でも極めて有効だといえます。

 地球温暖化も無視できない

 地球温暖化はまだまだ収束しそうになく、気候変動によって今までその地方地方で栽培できていた作物が栽培できなくなり、その都度、変化してしまった気候に適した作物を作ることを余儀なくされるでしょう。日本で南洋でしか採れなかった作物が栽培できるようになったことがその兆しです。新しく採れる作物が出始めたということは、その気候に合わなくなった作物が徐々に採れなくなっていくことを意味します。
 ですから予想外の凶作に備える意味においては、TPPで協定を結んでおくことは無意味なことではありません。単に農作物を安く仕入れるだけにとどまらないのです。ですから価格と品質のみが取り沙汰されている今のうちに、日本全体さらには地球全体でフレキシブルな生産力を身につける時代になりつつあるといえるでしょう。

2013年8月9日金曜日

TPPでも生き残れる農家01

 TPP参加の国策の下におかれ国内世論が揺れています。安価な農作物が海を越えて大量にやってくることにより、価格競争に負けた結果、日本の農業が衰退していくのではという不安の声があちこちから聞こえてきます。TPP参加に対する抗議活動も続いています。
 TPP参加の是非は、長い目で見る問題であり答えはすぐにでないでしょう。しかし、いずれにしても日本の農業を取り巻く環境は今後大きく変化し、それによってその都度対応を迫られることは間違いありません。
 そこでこのブログでも、変化へのリスク対策、農家の生き残り策を提案させていただきたいと思います。
 

 高くても売れる

 結論から言えば「高くても売れる」農作物を作ることです。狭い日本の土地条件下では大量生産は不可能です。日本の国土を全て農地に変えたとしても、海外の大量生産の力に太刀打ちすることはほぼ不可能です。
 ですから薄利多売のための大量生産の割合を減らし、高品質の農業を増やしていくべきでしょう。しかし、いっぺんに作付けを変えると逆に大きなリスクを負うことになってしまいます。
 今までの作柄は主力としてとっておきまずは1~2割新しいもので利益を得ることができれば、育成や価格リスクはかなり回避できるはずです。

 政府の援助も必要

 そのための政府の一般農家への技術指導も必要となってきます。以前に国立農業研究所の研究者が何メールもある巨大ヘチマの変種改良に成功したと報道されたことがありました。
 その研究者は、「こんなに大きなヘチマができたんですよ!」とひとりでご満悦でしたが、そんなお馬鹿研究をしている場合ではありません。国に抱えられている人間が日本の農業のために命をかけるべきときなのです。
 TPP反対活動だけでなく、こうした国の高度な技術提供を意味のある方向に活かすように求めることもひとつの方法だと思います。

2013年8月5日月曜日

エコじゃないラベル

 暑い夏、お店多くの消費者の手が伸びるのは、ボトル飲料です。しっかり水分補給をして熱中症を防ぎましょう。
 飲み終わったあとは資源の分別も大切です。私も飲み物を飲み終わったとは、必ずボトルからラベルをがして捨てるようにしていますが、ラベルががしにくい商品がとても多いのです。
 ミシン目がどこにあるのかわからないもの、途中から破れて横に避けてしまうもの、ミシン目の部分が途中で千切れてしまうもの、ピッタリと張り付きすぎて爪が入る隙間すらないものなで、不具合は様々ですが、キチンと剥がせるラベルはほとんどありません。
 反面、某コーラメーカーのコーラやお茶のボトルは、弱い接着剤でつなぎ目がほんの一部くっついているだけなので、きれいにがすことができます。接着剤という接着剤とい不純物は混じるものの、がす分にストレスは全くありません。
 商品は消費され廃棄され資源に戻るまでが商品です。企業規模が大きければ大きいほど、資源リサイクル、環境保全という意味での企業責任をもっと見つめなおしていただきたいものです。
 ラベルががしやすければ、分別を意識する消費者も増え、その分だけエコになるのですから。