2013年1月17日木曜日

ドリアの採算

 昨夜(記事記載当時)、原稿の調べものに頭がくたびれたので、TVをつけてみると、主婦の節約番組なるものを放送していまた。
 途中から見たので先の情報はわかりませんが、サイゼリアのミラノ風ドリアを真似て激安の費用でおいしい節約量を作れる方がいらっしゃいました。
 サイゼリアで299円で提供しているものをおよそ100円で、作れるそうです。さらに詳しく番組で出費を計算してみたところ、なんと56円というから驚きです。
 節約法の詳細を知りたくて読んでくださる方もたくさんいらっしゃると思いますが、残念ながらスポットを当てるのはサイゼリアの方なのです。
 業種によってことなりますが、商売というものは原価が1割を越えると赤字といわれております。
 このドリアを例とすると…

 
売り上げ 原価  利益
299円 - 56円 = 243円

 
で、利益が243円でバンザイではありません。この利益の243円は色々な所へ旅に行ってしまいます。行き先は店舗のお家賃、従業員の給与、水道光熱費、税金、さらには冷暖房などの設備が故障したときの臨時の設備費です。
 しかも一度旅に出てしまうと、黙っていても帰ってきてはくれません。それぞれの行き先を通して社会を巡りに巡った末、次回の売り上げという形でやっと、帰郷を果たすのです。
 先ほどの原価1割の話に戻しますと、299円の1割はおよそ30円。つまり30円以下の原価でようやく営業が成り立つ計算になります。理屈上はですけどね。
 家庭でこの数値で実際にやってみると、相当キツイのではないでしょうか。あるいは不可能か、可能だとしてもかなりの苦痛をともった節約になりますから、やはり大量生産を前提とした原価だと思われます。
 あの番組を見て、出演されたあの女性は大したものだと、多くの方がきっと思っているはずです。一家庭の主婦が企業の採算に肉薄できていることも驚くべきことですが、原価云々というより知恵と行動力にこうべをたれるとともに、番組でうたっていた、日本の女性がデフレ脱却のカギを握っているというのにもナットクです。
 結局、何が言いたかったのかというと…家庭と営業の原価の
考え方は異なりますよ、ということでした。
 


 さらに情報を調べる方のために番組情報も記載しておきます。

2013年1月16日放送(テレビ東京系)
『真相解明!久米宏SP 第五弾 実は日本人はデフレが大好き』